前回に引き続き、斎藤元彦兵庫県知事のこと。
私は兵庫県民ではないので支持者でもないし、別に好きでも嫌いでもない。
それでもこの斎藤元彦という人が気になってしまう。
それは彼の強靭な精神力に対するある種の憧れと、本人は多くは語らず私には少々ミステリアスにも感じるのに、周りには熱い人が集まっているからだと思う。
私が言うこの「熱い人」というのは、斎藤さんの同級生たちだ。
斎藤さんは愛媛県の愛光学園という中四国屈指の中高一貫進学校出身らしいのだが、そこの同級生たちがボランティアで選挙のお手伝いをしたり、街頭に立ち一生懸命応援演説をしているのを見て衝撃を受けた。
私は常日頃、「友」とか「友情」などを、どこか冷ややかに見ている。
なんなら、そんなもの存在すらしないのでは?と思っている。
でも.....働き盛りでそれなりの役職についている人も少なくないと想像する同級生たちが、仕事を休み斎藤さんを応援するためだけに全国から集まっていた。
そして聴衆から向けられたカメラの前で、堂々と斎藤さんを応援していた。
その映像が拡散されると、もしかしたら自分に不都合・不利益があるかもしれないのに。
「自分は今だったら発達障害というんだろうけど....そういった子はどうしても中学時代にはいじられキャラみたいになっちゃうんだけど、斎藤だけは絶対に僕をいじめませんでした」
みたいな演説をしている同級生もいて....不覚にも涙が出そうになった。
自分にとって利益などなく....いや、逆にリスクでしかないのに一生懸命応援している。
これを友と言わずなんと呼ぶのだろう。
「友なんて幻想だ」と思っていた私は本当に驚愕した。
そして心の底から....羨ましいと思った。
この人たちは斎藤さんが選挙に当選しても落選しても、きっと今までとは変わらないんだろう。
そして落選していたとしても、自分たちの行動を後悔なんてしないんだろう。
それはきっと....「友」だから。
私にはそんな人はいない。
そして私自身、そんな風に想える人もいない。
自分でそう生きてきたから、そんな自分に後悔もない。
でも、最近は少しだけ....友達がいたらいいなって思ったりしている。