魔女の気持ち

とあるアラフォー女の胸の内

過大評価...なんだって

義母が本人の希望で突然大きな引っ越しをすることになり、この1か月は準備に大忙しだった。

 

義母には夫を含め4人の子がいるが...夫は激務&出張続き、他の子供は遠方にいたり、義母と絶縁していたりする。

 

だから他に手伝える人がいないので私が...というのは建前上の理由で、実際は義母の引っ越しを成功させ、義母が遠くに引っ越してくれるのは私にとっても大きなメリット。

 

そんな黒い気持ちを隠し、引っ越しの準備の全てを快く引き受けた。

 

 

超ド田舎の小さな世界で生まれ育った義母は、1人で出来ないことがほとんど。

 

なので往復2時間の距離を何度も通い、手続きや荷造りなどなど一緒にやった。

 

高齢者1人暮らしの大量のモノに囲まれた部屋は、ゴミ屋敷寸前でなかなか過酷な状況。

 

そして部屋が臭い。排水口のようなカビ臭さと酷い加齢臭が混ざったような感じ。

 

毎回、慣れるまではマスクをしていても軽く えずいていた。

 

それでも荷造りやゴミ捨て掃除を一緒にして、コロコロと予定や希望が変わる義母に振り回されながらも全て終了し、1人で鉄道に乗れない義母を引っ越し先まで連れて行き、無事に引っ越しは完了した。

 

手伝いに行くたびに、義母は何度も何度も私に礼を言ってくれた。一生分のお礼を言ってもらった気がする。

 

おかげで気持ちよく手伝うことができたし、今までで1番仲良くいられた。

 

最初の黒い気持ちはいつしか消え、義母が新しい所でも幸せに快適に暮らせるよう細かなことにも気を配って手伝い、最後は涙のお別れだった。

 

 

もう会えないかもしれない距離に引っ越すので、義母が私の母に最後に挨拶がしたいと言うので、引っ越しの当日に少しだけ私の実家に寄った。

 

そこでも義母は「今回は娘さん(私)に本当にお世話になりました。いなかったら引っ越しできませんでした。私の友人も皆、こんな出来たお嫁さんはいないと褒めていました。ありがとうございました。」と私の母に深々と頭を下げた。

 

 

今回の件で、義母や義母の友人・引っ越し先の方・夫や夫の兄弟などなど...本当にたくさんの人に、感謝され労ってもらい褒めてもらった。

 

それだけで、報われたような気がした。

 

だけど....ただ一人、母だけは私にこう言った。

 

 

「無事に引っ越しが終わったのはよかったけどさぁ~、あなたの事をみんな凄い褒めてたけど、誰でもできることをやっただけなのにね。過大評価だよね。」

 

 

言葉が出なかった。

 

別に誰かに褒めてもらうためにしたわけではないし、確かに私にしかできない事をしたわけでもない。

 

でも....やはり私はいくつになっても、親から褒めてもらえないんだ。

 

期待などしていないが、いざそれを突き付けられると....何度でも何歳になってもやっぱり傷つくのだな。