魔女の気持ち

とあるアラフォー女の胸の内


お隣の部屋で

半年に1度の定期健診に歯医者さんに行ってきた。

 

子供の頃から「目と歯は大事にしなさい!!」と言われて育ったからか、私は40歳を過ぎても視力もいいし歯も丈夫である。

 

目は遺伝もあると思うが歯に関しては、先生を筆頭にスタッフの皆さんの感じがとてもいいので、歯医者に通うことが苦痛にならず、定期的に診てもらっているのがとても大きいと思う。

 

 

通っている歯医者さんは、個室ではなくワンフロアに仕切りがあるような造りになっているので、他の患者さんの声が聞こえることもある。

 

絶えずいろんな音が聞こえている、少しガチャガチャした空間が心地いい。

 

 

今日お隣で治療していたのは、少し認知症のあるおばあさん。

 

娘さんが付き添いで来ていた。

 

「ちゃんと口腔内のケアが出来ていますね~!上手にされていますね~!」と、先生が娘さんらしき人を労っていた。

 

少し削らなければいけないところがあったみたいで、おばあちゃんに「ちょっとだけ頑張ろうね~」とみんなで声掛けして、おばあちゃんは「がんばるよ~!」と答えていた。

 

私は先生待ちだったので、しばらくその会話を聞きながら...とても和み癒されていた。

 

 

いざおばあちゃんの治療が開始されると、あの嫌な音が響いた......と同時に「痛いよ~」とおばあちゃん。

 

先生が「どこが痛い?」と聞くとおばあちゃんは

 

右手

 

と答えていた。

 

皆笑っていて、私も思わず笑ってしまった。

 

娘さんが「右手は何もしてないよ~、ここは歯医者さんだからね~」と言うと、おばあちゃんは「じゃあ左手が痛い」と言って、またみんなで笑った。

 

 

きっと介護している方は、日々大変だろうと思う。

 

うちも祖母を家で看ていたことがあるから、なおさらそう思う。

 

家で看ていると、こういった他者が聞くと笑ってしまうようなやり取りでも、イライラしてキツく対応してしまうこともある。

 

でも、こうして他人が一緒にいる空間では「おばあちゃんお茶目だね~」と共に笑ってくれる人がいる。

 

いつもは誰にも褒められない介護も「口腔ケアが上手にできていますよ!頑張ってますね!」と褒めてくれる。

 

今日のこの時間が、娘さんのほんの少しの息抜きになったらいいな..と思った。