母は自分の友人の不幸話や苦労話を「〇〇さんのお宅は大変よ~!」などと私によく話す。
そんな時私はよく「それは大変だね、それに比べてお母さんは幸せだね~」と返す。
決まって母は「そう、私は幸せだよ」とは返さない。
「そうでもないよ」という。
子供たちはみな自立し、それぞれ家族仲良く暮らしている。
孫たちだって元気に学校に通っているし、母自身も持病もなく健康。
これ以上、何を望んでいるんだろう?と母の「そうでもないよ」を聞くたびに思う。
同時に「もっと親孝行しなさいよ」「もっと私に優しくしなさいよ」と言われているような気持ちになる。
そんな母に育てられた私は逆で、いつも「自分は幸せだ」と思っている。
ご飯がおいしいだけで、朝起きるといいお天気だっただけで、いい本に出会っただけで幸せな気持ちになる。
母はそんな私に「何も考えてないだけじゃない?ノー天気でお気楽ね。」と言う。
でも、私はこの先もこんな私でいたいと強く思う。
そして娘に「私、いつも幸せだよ」と言い続けたい。
どうなれば、どうすれば母は「私は幸せ」と言うのだろう?
今日も母の「そうでもないよ」を聞いて考えている。